TOTO'S的料理教室
Shidaちゃんの薫製講座 2000

[前置き]会長の間地です。食べた人は多分お分かりだと思うのですが 美味すぎる!
予てより、「造り方教えろ・・!」と言っていた「秘伝Shida燻製」の作り方を 初公開します。
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今回は「燻製を作る前の準備」について・・・
まずは、作るための容器ですが、 今いろいろな道具ができていますが、 私がはじめたとき
は、 油の一斗缶を加工してはじめました 2個の缶を縦につなげて 上下をあけ、ふたをつけて
物をつり下げる棒を突ける穴を開けてこんな物でも結構うまくいく物です。
スモーカーは、 左が「くんちゃん」とか言ったと思います。 10年ぐらい前に購入、大量には作
れませんがこれがあればほとんど事足ります。 これには、熱源となる電熱器が付属している
ので便利です。 今は、主に冷燻(熱源を使わない)専用になっています。 右は5年ぐらい前に
購入、これは箱だけの販売 シンプルで使いやすく今はこれがメイン 30cmぐらいの魚であれ
ば30か40匹 新巻鮭なら3枚におろして3匹ぐらい作れます。
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熱源は主に600Wの電熱器、温燻の場合はこれで十分 熱燻はほとんど行いませんがやると
きはオーブンと熱燻用のケース。
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次にチップについて 今私は3種類のチップを使っています。 左から 桜の生木、チップ(木を
細かく砕いた物)、そしてスモークウッド 木の種類はいろいろありますが 私は主に桜とナラを
使用しています。 スモークウッドは燻製を作る上でなくてはならない物となっています。 温燻、
冷燻特に冷燻には必ずこれを使います。 スモークウッドはチップをおがくずのように細かくし固
めた線香のような物 先端に火をつければ一本確実に燃え尽きます。 今はどこのアウトドアシ
ョップでも置いてあります。
ここで熱燻、温燻、冷燻という言葉がでてきました。
熱のかけ具合で言い方と保存日数が違います。 熱燻100度以上で保存はあまりきかない。
温燻70度以下で保存は冷蔵庫で1ヶ月ぐらい 冷燻30度以下で保存は冷蔵庫で3ヶ月ぐらい
冷凍すれば6ヶ月? 冷燻は個人で行う場合冬季しかできない(外気温が20度を超えると燻煙
をかけた 際スモーカー内部温度が30度を超えてしまうため) 冷燻といってもチップを燃やす
ための最低の火は使います。
[調味料と加工方法]
魚と肉ではぜんぜん違います 一番簡単な方法といつも私が行う魚類について書くことにしま
す。
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一番簡単な方法とは 市販の一夜干の干物 さんまでもあじでも良いんです。 そのまま、紐で
吊るして70度ぐらいで 4から5時間ぐらい煙をかければ出来上がります。 最初はこれで練習
すると良いでしょう。
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いつも私がする方法 魚編 釣ってきた魚の内臓を取る エラも取り、背骨のところにある血合い
もよくとる。 鱗も(特に気になる場合だけ)取る。 ぬめりはあとで取ることができる。 漬け汁(ソ
ミュール液) 水に対して 30%の塩、塩に対して10%の砂糖 ブーケガルニ、粒胡椒(適
量)、鷹の爪3本、にんにく3かけ ブーケガルニは、各メーカの物がありますが 私は明治屋
のが一番気に入っています。 香りが一番いいのです。
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まず、お湯を沸騰させ、塩をよく溶かします。 さらにほかの調味料を入れ5分間ぐらい煮立て
ます。 火を止め、よく冷やします。 よく冷やさないで、材料を入れてしまうと煮魚(当たり前?)に
なってしまいます。 必ずよく冷やしてください。
大きめのビニール袋にソミュール液を入れ、 そしてその中に魚を入れ、中の空気を抜くように
口を締めます。 冷蔵庫の中で1昼夜つけ込みます(冷蔵庫に空きがない場合は アイスボック
スを利用します。アイスボックスの中にビニール袋ごと入れ 市販のロックアイスを2袋ぐらい入
れておけばいいのです。)
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漬け終わったら次に塩抜きです。 この塩抜きが重要です。 抜きが少ないと辛すぎて食べられ
ません。 抜きが過ぎると味が無くなります。 注意しましょう 。
適当な容器(アイスボックス利用の場合はそのまま使用する)に魚を入れ 流水に1時間半か
ら2時間ぐらい入れます。時々魚を出し、 端を少し取り舐めてみます、そのときほんの少し塩
味が 感じられるようならば塩抜き完了です(冷燻の場合は少し味が濃い方がいいかも)。 魚を
出し、水気を取ります。 ふきんやタオルなどでよく拭きます(このときにぬめりは取れます) た
こ糸や荷ひもなどで魚の頭のところを上に向けて縛ります。 腹のところの棒を入れ内部も乾燥
できるようにします。 日陰で風の通しよいところに干します。 このとき外の獣たちに取られない
ように注意してください。 一晩ぐらい干しますが、目安として表面がべと付かなくなればOKで
す。ここまでで、かかる日数が3日から4日かかります。
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いよいよ「燻製作業」について・・・
さて、燻製にかかります。 乾燥が終わった魚をスモーカーの中にかけます。 均等にそして隣
同士がくっつき合わないようにします。 くっつき合うとその部分にタール状の物がたまり 渋くな
ってします。
スモークウッドを縦半分に切ります。 丸々一本だと煙が|かりすぎる傾向があります。 温燻の
場合は 熱の係り具合で出来上がりが変わってしまいます。 低温を長く高温を短くします、高
温が長いと身がぱさぱさに 焼き魚のようになってしまうので注意しましょう 私の場合は外気温
が安定している夜から明け方に仕上げるようにしています。
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燻煙のかけ方です。 低温から30度を4時間 50度から60度を1時間 70度ぐらいを1時
間 そしてゆっくり常温まで下げて、半日ぐらい寝かせて 出来上がり 冷燻の場合 低温から30
度未満を8時間ぐらい 冷燻の場合あとで食べやすいように 塩漬けの前に3枚におろしておくと
良いでしょう 。
文章だけでわかっていただけたでしょうか 機会があれば一緒に作りましょう。
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マジやん流・美味しい干物の作り方(2008)
干物は手塩にかけた分だけ美味しくなる!手を抜かず愛情込めて作ると旨さが倍増!何回も
失敗していろいろな人に助言を頂きやっとうなずくものが作れるようになったので公開します。
<マジやん流・材料の調達法>
11月になると東京湾奥でもアジ・サバ・イナダが入ってくる。近いところでは中の瀬・本牧沖で
も2分に1尾という数釣りが可能だ!タックルはライトな仕掛けで十分対応でき しかも釣り味
はそちらのほうが面白い。ビシ40号にいわしのミンチを程よく詰め込み 市販のアジ仕掛け
(ハリス2号)を天びんにつける・・だけ!(欲を言えば市販モノのハリは袖が短く取り外しにくい
ので自前の仕掛けを使うのがチャンスを逃さない!丸セイゴ13号がオススメ!)また、活性が
よいときはサビキの5本仕掛けをつけるのも効率よく釣ることができる。
回遊しているので当たるときは集中的に釣れるのでこのチャンスを無駄にしないためにも水深
20mぐらいで魚群を探すのが手返しが早く好ましい。また、船団の潮下に船をつけることが大
切で潮下に魚は集中して回遊している。時間は現地に10時ぐらいに着ければ十分!朝早く出
て行く必要もない。なぜなら、遊漁船の午前船は遅くとも1時には引き上げる!散々撒餌をして
獲物を集めておいてくれる。引き上げた後 最も釣れていた遊漁船の場所に移動すると1時間
で午前中の釣果に匹敵するほど釣ることができる。お試しあれ!ただし、そうは行かないことも
ある・・のが釣りの醍醐味でもある・・ことを理解すること!!
*活性がよい・・コレが曲者でいくら大潮でも潮が動かないと口を使わない!40mを超えると2
枚潮の場合もあり棚が取れない!見極めるには相当な経験と勘の勝負になる。ちなみに遊漁
船の5人分ぐらいは一人でうちの船は釣り上げる!!!(ちょっと自慢)
<マジやん流・魚の処理と捌き方>
開き方は背開き・腹開き・片開きなどとあるがそれぞれ長所・短所がある。アジの場合の一般
的な腹開きが簡単できれいに開きやすい。ただ時間はかかる!
@まずアジの肛門からエラに向け包丁を入れエラと一緒に内臓を取る。
Aエラふたの辺から包丁入れ中骨に沿って尾に向け切り開く。
B頭をあごから包丁を入れ割る。コレで背側の一枚残し完全に開きの完成!
Cブラシなどを使い腹や中骨周辺をキレイにする(残すと生臭くなる)
ココが肝心!
手早くたくさん捌くときはひとつづつ工程をいっぺんにやって次の工程に移ると慣れて早く捌け
るし 開きの出来上がりが同じようになる。サバは釣れたらすぐ現場で血抜きをすること!
<マジやん流・漬け水を作る>
諸説さまざまなやり方がある…が、アジが30尾釣れると塩水に漬けるほうが味の均一性がと
れ手間がかからない!一番評判のよい大吟醸仕込みの漬け水の作り方を紹介する。
塩カップ1:水カップ6:大吟醸カップ1を準備する。まず、水6に塩1をよく溶かす。コレで約1
5%塩分濃度の漬け水が出来上がる。このときの塩だが天然塩がよしとしているが高いので
安い漬物用の塩で十分満足する味になる。
漬け時間は鮮度のいいアジ大(150g)で30分。おかずにするなら40分ぐらいが目安。大きく
なればなるほど時間を長く漬けるが最近「素干し」が流行っているようで薄味がお好みなら30
分でよい!大吟醸はどこで使うのかというと最後の10分前に漬け水に加え 軽く攪拌して馴染
ませる。最初から入れると味が染み込みすぎて素材の旨さが薄れる。アジの目が白くなったら
大体漬かっている(最初から目が白いアジは選ばないこと!鮮度が悪い!)と考えてよい。皮
が鮮やかに際立ってくる。見ているだけで旨そうでやる気が出る一瞬!
ココが肝心!
時々 攪拌すること!味が偏らずおいしい干物ができる。
<マジやん流 魚の干し方>
漬け終わった魚は軽く水で表面を洗い流し 水分をよく拭き取とる。このとき押さえるように水
分を取ること!なでると身割れがおきて見た目も味もよくないものが出来上がる。水分を拭き
取った魚は重ねないこと!これも身がくっついて身割れを起こす原因になるので要注意!干し
方も天日干し・日陰干し・一夜干し・船上干し・機械干しといろいろあるが この時期(12月)湿
度も低く気温も12℃以下になる一夜干しがオススメ!今回はホームセンターや釣具店で売っ
ている安いブルーの網つき3段干し器を使って干す。何よりもすぐ取り込み移動ができ場所を
とらないのがよろしい!並べるとき 身から水分が流れ出てくることがあるので、下から大きい
魚を並べていく。微妙に風にも安定しているようだ。アジ大の開きで約5〜6時間 サバの三
枚おろしで6〜7時間が目安。指で押してみて少し粘着感があるぐらいの乾き具合が一番旨
い!
ココが肝心!
干す前に水分をキレイに拭き取るがペーパータオルなど使うと大量に消費してしまうので専用
のタオルを2枚用意していくとよい!そして、干すとき身を軽く尾から頭に向けなでてから干すと
キレイな干物ができあがる。
[マジやんの干物」おいしい焼き方と食べ方]
焼きだしたら目を離すべからず!
干物は焼き方次第で味が変わる!ココで失敗すると今までの苦労が水の泡になる。基本は
「強火の遠火」だがガス・グリルではそうは行かない。そこで中火にして目を離さずじっと焼きあ
がるまで待機するのが「マジやんの干物」を美味しく食べるコツである。「海の魚は身から 川
の魚は皮から焼け」に従い まず身から焼き始める。焼き膜が旨さ・脂を逃がさない。身の表
面が少し白くなりかけたら裏返し 皮の方をチョイこげ程度に焼く。焼き時間は皮6:身4の割
合で焼く。再び身のほうを焼く。身はあぶるぐらいでよい。身に脂がジュワーぷちぷちとしだした
ら食べごろ出来上がり!
皮と一緒に味わうべし!
さて 食べる段階で最も干物をおいしく食べるにはチョイごげの皮と一緒に食べるとバツグンの
凝縮された干物の旨さを堪能できる。その場合 脂の多い腹の部分をまず試食あれ!今まで
の苦労が走馬灯のようによみがえり 舌の上でアミノ・ダンスが始まる!自分で釣って捌いて
干して焼いて食べた人にしか味わえない涙腺の緩む旨さを味わうことができる!・・ハズ。

マジやんの絶品!酢〆の作り方(2009/1)
  
砂糖で30分〆る(500〜700gのサバで一握り砂糖を振る)
洗い流し
塩で2時間〆る(1匹につきひと掴みの塩を振る)
ここが肝心
タップリ塩を使うこと!シッカリ〆ること!アレルギーを起こす可能性あり!
 
漬け酢 二杯酢=米酢200cc 砂糖大さじ1 薄口しょうゆ20cc 昆布5cmを
火にかける+200ccのだし汁で割る(土佐酢ならそのまま使えるが漬けは60分)
しょうがの薄切りを適宜加える=2時間 漬け込む
  
薄皮をむき 「ぴちっとシート」で包み冷蔵庫でひと晩置いて出来上がり!
この後 燻製に20分かけると「マジやんの酢〆燻製」ができる!超ゼッピンです!
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